小説『Solitude』シリーズ

notion image
 
これは、どこかにいるはずの「彼」と、 どこにでもいる「あなた」のための物語。
 
誰もが羨む成功者である青年実業家のエンリコ。だが彼には、誰もが持つ 「恋人に対する性欲」 が欠如していた。そこで偽装の恋人を作ろうと画策し、レズビアンの女性に白羽の矢を立てる。彼女の指摘で自身の性的指向に気づいた彼は、飄々と生活を変えていく。しかし彼の過去を知る孤児・マルティナとの再会が、思いもよらぬ事件を巻き起こす。‬
性的指向とは、男らしさとは、自分らしい生き方とは ―― 性的少数者を自認しても苦悩せず、啓蒙家にも支援者にもならなかった「ロマンティック・アセクシュアル」の男がたどり着いた、強かに、自分らしくいられる “居場所“ とは。
 
LGBTQ+ストーリーの鉄板ネタである家族や友人との関係への葛藤や担わされる啓蒙役、「男らしさ‬・女らしさ」の決めつけ(ジェンダー・ロール)に疲れた日曜作家が、パッション100%で書いた、誰かの気持ちをちょっぴり楽にするかもしれない娯楽小説。
 
notion image
彼はひとりを選ぶことで彼女の幸せを願い、 彼女は彼をひとりにしないことで幸せにしようとした。
 
ロマンティック・アセクシュアルであるエンリコと、レズビアンのロージーの偽装結婚カップルの養女となった孤児のマルティナ。7歳の時に引き取られて以来、13年の月日が流れ、彼女は成人した。
ある計画のため、彼女はずっとこの日を待っていた。
 
養父であるエンリコは、現在タウンハウスでひとり暮らしだ。
法律が変わって同性婚が認められることになったため、両親は円満離婚。マルティナは寄宿学校へ入学した。
彼は飄々と二度目の「独身生活」を楽しんでいるように見えたが、マルティナは気づいていた。他者に性的魅力を感じないだけで恋愛ができる彼は「誰か」を必要としている。だが彼に近寄ってくるのは、財産か身体目当てのご婦人ばかり。
マルティナは考えた。だったらいっそ、その「誰か」はわたしがいいんじゃない?
 
だけど弟分のルカは世間体を気にするし、エンリコの親友のウォルターには反対される。何より当のエンリコに「君とは恋人にならない」とキッパリと振られてしまう。あきらめの悪いマルティナは策を練る。エンリコが、絶対にノーと言えない状況になるまで追い込んでやる!
果たしてマルティナの策はうまくいくのか? エンリコの本音は?
様々な障害を乗り越えて、彼女は彼と「アセクシュアルな恋」ができるのか?
 
※この物語は『Solitude -How He Found a New Way of Life.』の続編です